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Another Sky

by maho

旅が好きな人ならきっと知ってるであろう、テレビの長寿旅番組「Another Sky」。
各界の著名人が所縁のある海外の土地を紹介する番組。

私のアナザースカイはロンドン。
4歳の頃、家族で少しだけ住んでいた。期間は1年未満だし、まして小学校に上がる前なので、記憶はおぼろげにしかない。
だけど、いつか再訪したいとずっと思っていた。

2017年にようやく訪れることができた。
二階建てのバス、石造りの街並み、どんよりした空、薄汚いテムズ川。
こんなんだったかなぁ、と必死で記憶の糸を辿りながら、目の前に広がる景色を楽しみながら街を歩いた。

バッキンガム宮殿のある公園を歩いていたら、休日のたびに公園でリスを追いかけ回していたことを思い出した。素早くて警戒心の強い彼らは、えさのドングリを置いてもなかなか近くには来てくれなかったな。

一番「ああ!」と思ったのは、B&Bのドアを開けた瞬間。当時住んでいた家もこんな風に、玄関入ってすぐに階段があったなぁ。GF(ロンドンでは1階はグランドフロアと呼び、2階を1Fと呼ぶ)には別の日本人の家族が住んでいて、うちは2Fだったなと、懐かしさがこみ上げてきた。

スーパーのTESCOに入ったら、突然マカロニの缶詰の味を思い出した。ABCマカロニというその缶詰は、アルファベットのふにゃっとしたマカロニが入っていて、甘辛いトマトソースのチープなその味がなぜか好きだった。

フィッシュ&チップスが食べられる日はご馳走の日と喜んだ。食べ物の記憶ってなかなか忘れない。


当たり前だけど、二十数年もの月日が流れていれば、私の知らないロンドンもたくさんあった。
観光地にあるおしゃれなお店たちは、きっと昔はなかっただろう。アフタヌーンティーも4歳児だった私には縁がなかったし、美術館や博物館に行った記憶もほとんどない。


ロンドンの人たちは、ものすごくフレンドリーという感じはしない。かといって、冷たく殺伐としている訳でもない。スマートで、その奥に優しさや温かみを持っている街だな、と感じた。その空気がとても居心地がよかった。

歴史と最先端がケンカすることなく溶け合う街。品のある街。少しだけでもそんな街で育つことができて良かった、と思う旅だった。



maho
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