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わたしが旅をする理由

by maho

いつのまにか旅は、私の生活から欠かせないものになっていた。

それは10年前にさかのぼる。




はじめての海外旅行は香港だった。
きっかけはまとまった休みが取れたことと、円高だったこと。
日本からわずか4時間のその場所に、はじめて降り立ったときの気持ちは今でも忘れない。


ひしめく高層ビル、道路にせり出す看板。
せわしなく歩く人たちを追い立てるように鳴る信号機の音。
油断していると転びそうになるスピードのエスカレーター。
ぎらぎら光るネオンサイン。
早口の広東語と英語。

日本からわずか4時間の場所にこんな世界が広がっているなんて、と衝撃を受けた。


それから私は、旅に夢中になった。
暇さえ見つけては、次はどこに行こうと考え、見知らぬ土地に降り立った自分を想像してわくわくするようになった。

「言語」も私にとって大きな存在になった。
旅をするまでは、英語をはじめとする外国語は私にとって机の上で勉強するだけのものだった。

異国でまったく違う人種の人たちに話しかけて、意思が通じるという喜び。
彼らが何を考えているのか知りたい、世界中に友達をつくりたい。
それが英語を学ぶモチベーションになった。



インターネットや書籍で、まだ目にしたことのない景色を眼にするたび、一体どんな場所なんだろう?と思いを巡らせる。
写真に切り取られて見えなくなった、うしろの景色。におい。音。空気。ひとびとの暮らし。歴史。そういった全てを感じたくて旅に出る。

ときどき、旅先で胸いっぱいに空気を吸いたくなることがある。
空気がおいしい場所という意味じゃない。
その場に自分がいることがとても特別で、その瞬間を覚えておきたくなるから。

これからもそんな風に旅をしていくのだと思う。





maho
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